中国企業のエアバスサプライヤー買収を承認

繊維複合材部品製造の独コテサを中国の特殊素材メーカー、安泰科技(Advanced Technology & Materials=AT&M)が買収する計画をドイツのペーター・アルトマイヤー経済相が承認した。コテサのイェルク・ヒュスケン社長が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにした。

コテサは売上高6,500万ユーロの中堅企業。自動車業界のほか、欧州航空宇宙大手エアバスにも製品を供給している。同社はエアバスの軍用機に関する情報を業務上、知り得る立場にあることから、ドイツ政府はAT&Mによる買収に懸念を持ち、貿易法に基づく審査を行っていた。ドイツでは同法の規定により、公共秩序・セキュリティに支障が生じる恐れがあると経済相が判断した場合、欧州連合(EU)および欧州自由貿易連合(EFTA)域外の企業がドイツ企業に25%以上、出資することを禁止できる。

コテサは事業の国際化に必要な資金を獲得するために投資家を模索。AT&Mへの身売りを決めた。ヒュスケン社長は中国企業による独企業買収に対する懸念が高まっていることに理解を示しつつも、AT&Tの買収提示条件は飛びぬけて良かったと述べ、同社への自社売却決定は適切だったとの認識を示した。

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