エーオン―光通信網の敷設事業強化へ―

独エネルギー大手エーオン(エッセン)のヨハネス・タイセン社長は9日の株主総会で、光ファイバー通信網の敷設事業の強化策を検討していることを明らかにした。ドイツではモノのインターネット(IoT)時代の到来を受けてこれまで後手に回っていた同通信網敷設の機運がようやく高まってきたことから、配電網敷設との相乗効果が期待できる通信網敷設事業に力を入れる考えだ。すでに通信企業と協議を行っている。

同社が買収予定のエネルギー大手イノジーは昨年、独電気通信最大手ドイツテレコムと提携合意。人口希薄地帯で光通信網を共同敷設することを決めた。過疎地は通信網利用者が少なく単独で敷設したのでは採算割れに陥ることから、テレコムはイノジーと手を結んだ。

イノジーの配電線敷設工事に際して光速通信線を設置し、配電線敷設コストを圧縮する。通信線はテレコムに貸与することから、賃貸収入が入る。

光通信網の整備には人口希薄地帯の自治体も大きな関心を持っていることから、エーオンは需要を掘り起こしていく考えだ。

同社が8日発表した2018年1-3月期(第1四半期)決算の営業利益(EBIT、調整済み)は前年同期比24%増の12億8,400万ユーロと大きく拡大した。原発を中心とする周辺事業の黒字転換と顧客ソリューション部門の好調が大きい。純利益も40%増えて8億8000万ユーロとなった。会計基準の変更を受けて、売上高は11%減の93億3,000万ユーロへと落ち込んだ。

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