4人に3人がオンラインバンキング、スマホでの利用増加

ドイツの消費者の76%がオンラインバンキングを利用していることが、情報通信業界連盟(Bitkom)のアンケート調査で分かった。2年前は70%、4年前は68%にとどまっており、利用率は増加傾向にある。今回の調査では「今後の利用が考えられる」との回答も8%あったことから、利用者はさらに増える見通しだ。Bitkomのアッヒム・ベルク会長は「金融システムは全面的にデジタル化する。銀行業界は今後10年で根底から変わる」と述べ、実店舗の意義がこれまで以上に低下していくとの見方を示した。

オンラインバンキングで最も利用が多いサービスは口座照会で、利用者の99%が回答した。これに振り込みが92%で続き、3位は定額自動振込(72%)、4位はクレジットカードの明細確認(43%)だった。

オンラインバンキングで利用する機器ではノートパソコンが最も多く、79%に上った。これにデスクトップパソコン(48%)、スマートフォン(44%)、タブレットPC(36%)が続く。スマホの利用は増えており、16年時点では36%にとどまっていた。

オンラインバンキングを利用しない人に理由をたずねたところ、「データ保護に懸念があるため」(83%)、「ネット犯罪の被害に遭う恐れがあるため」(77%)との回答が最も多かった。一方、オンラインバンキングの利用者では同サービスの利用は「安全だ」との回答が83%に上っており、利用者と非利用者の意識の差が大きいことが浮き彫りになった。

オンラインバンキング利用者のなかで「オンラインバンキングよりも実店舗の利用の方が多い」人は17%にとどまった。「もっぱらオンラインバンキングを利用する」は29%、「主にオンラインバンキングを利用する」も51%に上っており、オンラインバンキング顧客の間では実店舗の重要性が低いことが分かる。

一方、「デジタル技術は資金管理の最適化に役立ちますか」との質問では64%が「いいえ」と回答し、「はい」は33%にとどまった。また「送金などを音声アシストを通して行いますか」でも「いいえ」が61%、「はい」が35%となっており、デジタル技術を警戒する人が多いことがうかがわれる。

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