半導体大手の独インフィニオン(ミュンヘン)は18日、電力を調整したり消費電力を抑制するパワー半導体の新生産施設をオーストリアのフィルラハ工場内に建設すると発表した。世界的に拡大している需要を取り込み、同分野で世界1位の地位を一段と強化する意向だ。同社のラインハルト・プロス社長は「電動車やネット接続機器、電算センター、再生可能エネルギー発電は効率的で信頼性の高いパワー半導体を必要とする」と述べ、車両の電動化やIoTの普及、再生エネの利用拡大に伴い同半導体の需要は長期的に拡大していくとの見方を示した。
300ミリウエハーをベースとするパワー半導体の完全自動生産施設を設置する。投資額は6年で計16億ユーロ。2019年上半期に着工し、21年初頭から生産を開始する予定だ。フル稼働した場合の同生産施設の売上高は年18億ユーロに達するとみている。新規雇用400人を見込む。
フィルラハ工場はパワー半導体の中核拠点で、300ミリウエハーベースの同半導体生産技術は同工場で開発された。同生産技術は独ドレスデン工場でも導入されている。
調査会社IHSマークイットによると、インフィニオンのパワー半導体市場シェアは18.5%で、2位以下のメーカーを大きく引き離している。