工業ガス大手の独リンデと米プラクスエアが合併に伴い放出する事業の一部を大陽日酸が取得するとの観測が浮上している。ロイター通信が消息筋の情報として報じたもので、大陽日酸は時価40億ドル強の欧州事業を巡る入札で最も有力な落札候補とみられているという。
産業ガス世界2位のリンデと同3位のプラクスエアは2017年6月、合併合意した。誕生する新会社は売上高が約287億ドルに達し、仏エア・リキードを抜いて世界最大手に躍り出る。
合併が実現すると工業ガス市場で寡占が進むことから、当局の承認を得るためには一部事業の放出が必要となる。両社はこのため、米国・欧州事業の部分売却に向けて入札を実施。欧州事業には大陽日酸と独競合メッサー、投資大手CVCキャピタル・パートナーズが関心を示しているもようだ。米国事業の取得には投資大手カーライル、オネックス、ブラックストーンが名乗りを上げるとみられている。