三菱重工は11日、子会社三菱重工サーマルシステムズがドイツの空調・冷凍機器販売会社ハイフォと輸送冷凍機の合弁販売会社を設立すると発表した。欧州での機動的な営業力と技術提案・保守面の支援機能を強化し、販売拡大につなげる狙い。資本金は600万ユーロ(約8億円)で、その60%を三菱重工側が出資する。
新会社、三菱重工サーマルシステムズヨーロッパ(Mitsubishi Heavy Industries Thermal Transport Europe)を9月に開設する。所在地は自動車産業が盛んな独北部のオスナブリュック。新会社では西・中欧全域を視野に入れてドイツや北欧を中心に事業を展開していく。製品供給は当面、日本と中国から行う。
ハイフォはオスナブリュクに本社を置く。三菱重工の輸送冷凍機をドイツで販売するとともに、保守サービスを行ってきた実績がある。
三菱重工の輸送冷凍機事業では2005年ごろから、国内向けに開発した輸送冷凍機の一部製品を対象に欧州規格を取得。有力トラックメーカーが多いドイツやスウェーデンなどを中心にそれらの製品を供給してきた。同市場で一定の評価を獲得できたことから、直轄の営業統括拠点を確保して、自前の販売・サービスルートを開拓していくことにした。