コンチネンタルが組織再編、パワートレインは分社化・IPOへ

2018年7月25日発行 No.1196号

自動車部品大手の独コンチネンタルは18日の取締役会で組織再編計画を決議した。同社を持ち株会社へと改めたうえで、3つの事業部門を設置。その1つであるパワートレイン部門については新規株式公開(IPO)を実施する計画だ。エルマー・デーゲンハルト社長は「自動車産業は今後10年とそれに続く時代に、130年を超える歴史のなかで最大かつ最深の転換を遂げる」と明言。そうした変化に柔軟かつ機敏に対応し競争力を保つことが組織再編の狙いだと語った。

コンチネンタルは現在、大きく分けてオートモーティブ・グループ(シャーシ&セーフティ、パワートレイン、インテリアの3部門)とラバー・グループ(タイヤ、ホースの2部門)の2グループで構成される。両グループ間の関連は小さく、米投資顧問会社サンフォード・バーンスタインは昨年11月、会社分割を要求した。これに対しコンチネンタルは当初、異なる事業を抱えることで景気変動の影響を緩和できるとして拒否の姿勢を示したものの、今年1月になって組織再編を検討していることを明らかにした。

新体制ではシャーシ&セーフティとインテリアを「コンチネンタル・オートモティブ」部門に統合したうえで、同部門の下にサブ部門として「自動運転技術」と「車両ネットワーキング技術」を新設する。また、自動運転技術と車両ネットワーキング技術の研究開発を統合し、新製品を迅速かつスムーズに市場投入できるようにする。同部門の売上高を2017年実績の約190億ユーロから23年には約300億ユーロへと拡大する目標だ。

タイヤとホースの2部門で構成されるラバー・グループは「コンチネンタル・ラバーズ」部門へと名前が改められるものの、現在の体制は維持される。

3つ目の部門は「パワートレイン」。パワートレインはエンジン車と電動車とで大きく異なるため、同社は電動車の普及のスピードなどをにらみながら経営資源の割り振りを行うなど難しい判断を迫られることになる。こうした状況下で経営のかじを切るためには身軽さが必要なことから、パワートレイン部門を来年初頭にも法的に独立した子会社として分社化。来年半ば以降にIPOを実施する。コンチネンタルは新設するパワートレイン子会社の経営権を手放す考えはないとしており、市場に放出する同子会社株は50%未満にとどまることになる。

コンチネンタルはラバーズ部門についても、将来の選択肢の1つとして50%未満の株式公開があり得ることを明らかにした。そうした計画は現時点ではないとしている。

同社はまた、車載電池生産の新部門を将来的に設置することを視野に入れていることも明らかにした。次世代電池の本命と目される全固体電池を念頭に置いている。電池部門を新設するかどうかの決定は2021年以降に下す見通しだ。

幅広い業界で事業選別が加速

事業を選別したり、売却やIPOをしやすくするために持ち株会社化する動きは近年、活発化している。デジタル化の進展など経済環境の急速な変化を背景に市場動向に機敏に対応する能力が企業に強く求められるようになっているためだ。自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は商用車部門の社名をトラトン・グループへと改めたうえで、早ければ来年にもIPOを行う。競合ダイムラーもすべての事業部門を法的に自立した子会社へと改め、同社本体を持ち株会社化する計画で、早ければ2019年の株主総会で決定する。電機大手シーメンスは照明子会社オスラム(13年7月にIPO)に続き医療機器子会社ヘルシニアーズを3月に上場企業へと改めた。製薬・化学大手バイエルは15年10月に樹脂子会社コベストロのIPOを実施した。

一方、複合企業ティッセンクルップでは「もの言う株主」が企業価値を引き上げるために同社を分割するよう強く要求。社長と監査役会長が今月、相次いで辞任する事態へと発展した。

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