化学業界が景気の先行き懸念

独化学工業会(VCI)は12日の記者会見で、景気の先行きに対する懸念を表明した。上半期は好調だったものの、米・中・欧州連合(EU)の通商摩擦や英国のEU離脱の不透明感、原油価格の高騰が暗い影を落としているためだ。VCIのクルト・ボック会長は「成長のテンポが弱まるとともに、景気リスクが高まっている」と述べた。

独業界(製薬を含む)の上半期の売上高は前年同期比5.5%増の1,004億ユーロと大きく拡大した。国外が6.5%増の638億ユーロと好調で全体をけん引。国内も3.5%増えて366億ユーロとなった。

業界生産高は5.0%伸びた。製薬部門が11.5%増と2ケタ台の伸びを記録したことが大きく、製薬を除いたベースでは伸び率が2.0%にとどまった。製薬以外ではファイン・特殊化学が4.5%増加。その他は石油化学・誘導体とポリマーがそれぞれ1.5%増、洗剤・ボディーケア製品・化粧品が1.0%増、無機基礎化学品が0.5%増だった。

出荷価格は平均1.0%上昇した。

2018年通期予測は据え置いた。生産高で3.5%増、出荷価格で1.0%の上昇、売上高で4.5%増を見込む。売上成長率は国外が5.0%、国内が3.5%と予想している。

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