ダイムラー―自動運転分野などで百度との提携深化―

自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)は7月25日、中国の検索エンジン大手・百度(バイドゥ)との戦略提携関係を深化させることで基本合意したと発表した。百度を中心とする自動運転の開発連合「アポロ」の枠内で共同プロジェクトを行うほか、コネクテッドカー分野で連携する。ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長は自動運転とコネクテッドカーの分野で中国が急速に進歩していることを指摘したうえで、百度との関係強化を通して同国市場での強い立場を将来も維持する意向を示した。

アポロは百度が開発した同名のシステムをベースに自動運転の実現を目指す企業連合で、昨年に立ち上げられた。ダイムラーは当初から参加しており、12月には自動運転の安全なソリューション開発を加速するとともに関連法規の策定を支援することを目的とする「アポロ委員会」のメンバーとなった。

ダイムラーは今月上旬、北京の公道で完全自動運転車(レベル4)の走行試験を実施することを許可された。レベル4の公道走行試験を同市で許可された外資企業は同社が初めて。リアルな走行環境でテストを行うことで、中国のニーズに見合った製品とサービスを開発する考えだ。

メルセデスの「Vクラス」をベースとするテスト車両には百度のアプリケーションが搭載されており、当局は同アプリ搭載車を包括的に試験したうえで公道試験を許可した。両社は今回の基本合意で、様々な環境や状況を想定して公道と走行テスト場で試験を行うことを取り決めた。

コネクテッドカー分野では百度のサービスをメルセデスのマルチメディアシステム「メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス(MBUX)」に統合するためのプロジェクト実施で合意した。

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