ダイムラー―30%の営業減益に、法務費や通商摩擦響く―

高級車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)が7月26日発表した2018年4-6月期(第2四半期)決算の営業利益(EBIT)は前年同期比30%減の26億4,000万ユーロと大きく落ち込んだ。減益は2四半期連続。ドイツ政府との和解に伴う費用が最大の利益圧迫要因で、このほか通商摩擦や大規模なリコール(無料の回収・修理)も足かせとなった。売上高は1%減の407億5,600万ユーロ、純利益は29%減の17億2,600万ユーロだった。

ドイツ政府からトラック走行料金徴収業務を引き受ける目的で同社がドイツテレコムなどと共同設立した合弁会社トル・コレクトは徴収業務を03年8月末に開始予定だったが、技術的な問題が露呈したことから05年1月へと大幅にずれ込んだ。独政府はこの間、走行料金収入を得ることができなかったため、トル・コレクトに損害賠償を請求。トル・コレクトが国に32億ユーロを支払うことで今年5月に和解が成立した。ダイムラーはこれを受けて第2四半期に引当金4億1,800万ユーロを計上した。

中国が対米通商摩擦を受けて、米国以外の国からの輸入車の関税を7月1日付で引き下げる方針を5月に打ち出したことも響いた。中国の顧客がダイムラー車の価格低下を見越して買い控えたり、値引きを要求するようになったためだ。

リコールはダイムラーのディーゼル車に排ガスを不正操作する機能が搭載されているとして、ドイツの陸運当局が命じたもので、規模は世界全体で77万4,000台に上る。

主力の乗用車部門では売上高が前年同期比4%減の225億7,500万ユーロへと後退した。EBITが20%減の19億100万ユーロへと大きく縮小したことから、売上高営業利益率は前年同期の10%から8.4%へと低下した。

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