自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)が17日発表した7月のグループ新車販売台数は前年同月比10.6%増の90万8,200台と大きく拡大した。欧州連合(EU)の排ガス規制が9月から強化されることを受けて、新規制に対応していない車両を割引販売したため、実績が押し上げられた。9月以降はその反動で販売が落ち込む恐れがある。
増加率が最も大きかった地域は西欧で、25.2%増の33万9,800台へと拡大。ドイツ、フランス、スペインでは35%以上の伸びを記録した。中東欧は19.4%増の6万8,500台で、ロシアは16.7%増の1万8,400台だった。
南米は5万1,300台で、16.5%増加した。同地最大の市場であるブラジルが39.4%増の3万5,600台と急拡大したことが大きい。
北米は1.5%減の8万1,400台となり、主要地域で唯一落ち込んだものの、米国は7.8%増の5万4,000台と好調だった。
アジアは0.9%増の33万5,700台と小幅な伸びにとどまった。主要市場の中国が0.1%増の30万9,400台にとどまったことが響いた。VWは同月の中国販売について、7月1日付の輸入車関税引き下げを見越した買い控えの影響で顧客への引き渡し台数が伸び悩んだと説明している。
ブランド別では乗用車のセアト(35.7%増の5万2,700台)、シュコダ(14.6%増の9万9,700台)、ポルシェ(14.3%増の2万2,300台)と商用車のMAN(21.0%増の1万1,200台)、スカニア(16.1%増の7,800台)、VWブランド商用車(13.4%増の4万1,900台)が2ケタ台の伸びを記録。VWブランド乗用車(8.3%増の50万5,900台)とアウディ(7.0%増の16万5,300台)も大きく伸びた。
1~7月のグループ販売台数は642万7,200台で、前年同期から7.5%増加した。南米(13.6%増)と中東欧(11.4%増)で2ケタ台の伸びを記録。その他の主要地域も西欧が8.2%増、アジアが7.8%増(中国は7.9%増)、北米が0.4%増と前年同期を上回った。ブランド別でもMANが23.5%増、セアトが20.1%増、シュコダが12.0%増、スカニアが8.4%増、VWブランド乗用車が6.5%増、アウディとVWブランド商用車が4.8%増、ポルシェが4.7%増と好調だった。