ビオンテック―ワクチン開発でファイザーと協業―

バイオ医薬品開発の独ビオンテック(マインツ)は16日、インフルエンザワクチンの開発で米製薬大手ファイザーと協業合意したと発表した。従来のワクチンよりも効果が高く量産しやすい製品の市場投入を目指す。

ワクチンは従来、鶏卵にウイルスを注入して製造してきた。同方式では1人分のワクチン製造に要する卵が1~2個に上るうえ、製造に要する時間も長いことから、◇コストがかさむ◇急速な需要拡大に対応するのが難しい――などの難点があった。

ビオンテックはDNA(遺伝情報を保持する物質)の情報を写し取るメッセンジャーRNA(リボ核酸)をベースに、ワクチンを作製する技術に特化した企業。同社の技術を利用すると、ワクチンを迅速かつ低コストで製造できるうえ、薬効も高いことから、ファイザーは協業に踏み切った。

ファイザーはビオンテックが開発してきたインフルエンザワクチンの今後の臨床試験と認可手続き、上市を自らの責任で行う。

ビオンテックはファイザーから前払い金などを計1億2,000万ドル受け取るほか、開発・承認などの進展に伴うマイルストーンを最大3億500万ドル取得する。また、市場投入された場合は売り上げの一定比率を受け取る。

上部へスクロール