決済サービスのワイヤーカード、時価でドイツ銀抜く

決済サービスの有力企業である独ワイヤーカードの時価総額が21日に213億ユーロへと達し、ドイツ銀行(同208億ユーロ)を抜いて市場価値が最も高いドイツの銀行となった。ネット通販市場やスマホ決済の拡大など、支払い手続きのデジタル化が追い風となっていることが大きい。マルクス・ブラウン頭取は、世界の決済の80~85%は現在も現金で行われていると指摘。市場開拓の余地は大きいとして、今後の事業拡大に自信を示した。

ワイヤーカードは1999年の設立。2006年には銀行免許を取得した。売上高は15億ユーロ、従業員数は4,913人と、ドイツ銀(それぞれ270億ユーロ、9万5,429人)を大幅に下回るものの、将来性が高いことから時価総額は年初からこれまでに84%上昇した。

中国のネット通販大手アリババ、微信と提携。6月には米グーグルが提供するスマホ決済サービス「グーグルペイ」の独パートナー企業となった。独金融保険業界の時価総額ランキングではアリアンツ、ミュンヘン再保険、ドイツ取引所に次ぐ4位に付けており、近い将来、コメルツ銀行(時価総額103億ユーロ)に代わってDAX(ドイツ株価指数)に採用されると目されている。

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