ブレーキ大手の独クノールブレムゼ(ミュンヘン)は17日、新規株式公開(IPO)計画を発表した。オーナー一族のティーレ家が間接的に保有する「有意義な規模の非支配株主持分」を売り出す。新株を発行しないことから、公開益は同社に流入しない。株式市場を取り巻く環境が悪化した場合はIPOを見送る可能性もあるとしている。
ティーレ家は現在、クノールの全株式を保有している。その何パーセントを売り出すかを同社は明らかにしていない。メディア報道によると、25~30%を予定しているもよう。上場規模は30億~40億ユーロと目されており、ドイツの今年のIPOでは医療機器大手シーメンス・ヘルシニアーズ(同280億ユーロ)に次ぐ2位に付ける見通しだ。時価総額は120億~160億ユーロと推定されている。
クノールは1905年創業のオーナー企業で、事業家のハインツヘルマン・ティーレ氏と娘のユリア・ティーレシュルホフ氏が全株式を保有。メディア報道によると、IPOは77歳のティーレ氏が保有株をティーレシュルホフ氏に譲渡する計画「プロジェクト・ゴール」の一環として実施される。