バイエルの胃腸薬に肝臓障害のリスク、注意書きへの明記を当局が命令

ドイツ連邦医薬品・医療機器審査局(BfArM)は12日、製薬大手バイエルが一般医薬品として製造・販売する胃腸薬「イベロガスト(Iberogast)」には肝臓障害を引き起こす恐れがあるとして、添付文書にその事実を明記するよう同社に命じたと発表した。服用による死亡が確認されたことを受けた措置で、バイエルは受け入れを表明している。

イベロガストは薬草クサノオウの成分を含む医薬品。約60年前から市販されているロングセラーで、40カ国以上で承認されている。

バイエルは植物性医薬品製造のシュタイガーヴァルトを2013年に買収し同薬の権利を取得した。

BfArMは08年、クサノオウを含む医薬品は肝障害を引き起こす恐れがあるとして、シュタイガーヴァルトに添付文書への明記を命令。シュタイガーヴァルトはこれを不服として裁判を起こし、バイエルもこの立場を継承していた。

だが、イベロガストの服用が原因で死亡した患者がいることが明らかになったことから、BfArMは今回、添付文書への記載を改めて命令。バイエルは受け入れ方針へと転じた。添付文書には妊婦と授乳期の母親に服用しないよう注意を促す文章も追加される。

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