セコノミー―メトロ株9%を売却へ―

家電量販大手の独セコノミー(デュッセルドルフ)は20日、独流通大手メトロの保有株およそ9%をチェコとスロバキアの投資家が新設した投資会社EPグローバル・コマース(EPGC)に売却することで合意したと発表した。セコノミーはメトロ株の下落で巨額の評価損を計上した経緯があり、今回の取引により財務リスクを軽減する。売却金額は公表しないことで合意した。

EPGCはセコノミーからまず、メトロ株およそ3.6%を取得。その後さらにオプション権を行使し約5.4%を追加取得する。取引の成立には独連邦カルテル庁の承認が必要となる。

メトロはここ数年、事業の絞り込みを進めており、2015年にはデパート部門カウフホーフを売却。17年には家電販売部門メディア・ザトゥーンを「セコノミー」として分離した。セコノミーはこの分離の際、メトロとの資産調整でメトロ株およそ10%を取得した。EPGCとの取引の完了後は約1%が手元に残る。これについては税法上の理由から23年9月末まで手元に残す意向だ。

EPGCはチェコの投資家ダニエル・クレチンスキー氏とスロバキアの投資家パトリック・トカシュ氏が6月にドイツで設立した投資会社。8月にはメトロの筆頭株主である複合企業ハニエルから同株7.3%を取得することで合意した。ハニエルからはメトロ株を最大15.2%追加取得するオプション権も獲得しており、将来的にメトロの筆頭株主となる見通しだ。

上部へスクロール