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成長率予測を大幅引き下げ=秋季予測

2018年10月4日発行 No.1205号

Ifoなど有力経済研究所は9月27日に公表した共同作成の「秋季経済予測」で、国内総生産(GDP)見通しを引き下げた。ドイツ企業の主要な国外市場が弱含んでいるうえ、人材不足も深刻化しているためだ。自動車業界の生産が新しい排ガス検査方式の導入を受けて一時的に低迷していることもあり、今年の実質GDP成長率を4月の春季予測で提示した2.2%から1.7%へと0.5ポイント下方修正。来年についても同2.0%から1.9%へと引き下げた。再来年は営業日数が多いことから1.8%を保つものの、その効果を除くと数値は1.8%下回ることになる。

世界経済は米国の保護主義政策とこれに対する中国などの対抗措置を受けて先行き不透明感が強まっている。このため企業は事業計画を立てにくく、投資を控える動きが強まっている。

トルコとアルゼンチンの経済危機をきっかけに新興国から投資資金が流出していることも、貿易大国であるドイツのマイナス要因となっている。

欧州連合(EU)では排ガス検査方式が従来の「新欧州ドライビングサイクル(NEDC)」から「世界統一試験サイクル(WLTP)」へと切り替えられ、WLTPをクリアしない車両は9月1日から新車登録できなくなった。フォルクスワーゲン(VW)など多くのメーカーはWLTPへの対応で後手に回っており、在庫の大幅拡大や生産縮小を余儀なくされている。自動車はドイツの主力産業であるため、この問題は今年のGDPの押し下げ要因となる。

来年から基礎インフレ率上昇へ

「予測」は景気の今後のリスク要因として、通商摩擦の激化と新興国経済の不振のほか、英国のEU離脱(ブレグジット)とイタリア政府の財政拡大路線への転換を挙げた。伊の政策転換はユーロ圏債務危機を再燃させる恐れがあるとしている。

今回の「予測」は英国が通商協定を締結したうえでEUから離脱するとの前提に立っている。このため通商協定未締結の「無秩序離脱」が起こった場合は、ドイツ経済に大きな影響が出、19年以降の成長率の下方修正が避けられない見通しだ。

ドイツでは好景気の長期化を背景に雇用の拡大と失業者の減少が続いている。この傾向は今後も続くものの、主婦や高齢者の就労拡大や移民の純増を通して労働力を確保する余地は狭まっている。これはすでに同国経済の最大の構造リスク要因となっており、顧客需要に対応できない企業は多い。この事情も今回のGDP予測の下方修正につながった。

インフレ率については今年1.8%を見込む。8月時点の原油価格が前年同月比で45%上昇するなどエネルギーが最大の押し上げ要因となっている。来年以降はエネルギーの押し上げ効果が弱まるものの、エネルギーを除いた基礎インフレ率が大幅に上昇。インフレ率は来年が2.0%、再来年が1.9%となり、今年を上回る見通しだ。

欧州中央銀行(ECB)が金利を引き上げる時期については来年下半期との予想を示した。

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