東芝プラントシステム―原発廃炉で独社と技術協力へ―

東芝プラントシステムは9月26日、原子炉解体で実績を持つ独シームペルカンプNISインジェニエールゲゼルシャフト(NIS)と技術協力の基本合意を締結したと発表した。日本国内の原子力発電所の廃炉作業で協業する。

今回の基本合意は原子炉圧力容器と炉内構造物の解体技術の導入に向けたもの。東芝プラントがこれまで国内で培ってきた原子力発電プラントの建設・メンテナンス工事における施工技術と、NISが持つ原子炉解体技術を融合させることで安全性の確保、解体作業の省力・効率化、作業期間の短縮を図る。

原子炉圧力容器や炉内構造物の解体は高線量領域下での作業となるため、高度な技術のほか、廃棄体の収納・搬出・保管で厳格な管理が要求される。また、被ばく低減や汚染拡大防止の観点から厳しい配慮が必要となることから、長期間の廃炉工程のなかで最も重要な作業と位置づけられている。

NISは約25年にわたる廃炉事業のなかで、原子炉解体プロジェクトの計画や専用機器の開発・供給、さらには施工技術に至るまでの広範な技術力を培ってきた。顧客に寄り添い個々の事案を解決していく「テイラーメイドなソリューションの提供」を企業ポリシーとしており、欧米顧客から高い信頼を得ている。

東芝プラントは現在継続中の福島第一原子力発電所の廃炉作業で設計から最前線の現場対応まで、数多くの案件に携わっており、遠隔操作機器を活用した作業(現場調査、除染、解体撤去など)も手がけている。従来のプラント施工技術と、福島第一原発の廃炉作業で培った先進技術や工法を今後、国内商用原発の原子炉解体に活用していく考えだ。

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