太陽光パネルなどで生産される電力を直流から交流へと変換するソーラーインバーターの有力メーカーである独SMAソーラー(ニーステタール)は9月27日、2018年12月期の業績見通しを引き下げた。市場環境の急速な悪化を受けたもの。同社は対応策を年内に作成し、立て直しを図る考えだ。
18年12月期の売上高を従来予測の「9億~10億ユーロ」から「8億~8億5,000万ユーロ」へと下方修正した。市場環境悪化への対策を実施することもあり、営業損益(EBITDAベース)は従来の「9,000万~1億1,000万ユーロの黒字」から「小規模な赤字」へと引き下げた。19年12月期は増収と営業損益の黒字化を見込む。
中国政府が太陽光発電向けの補助金を5月末に突然、大幅縮小したことで市況が悪化した。これにより中国の太陽光パネル、ソーラーインバーター市場は供給過多へと陥り、中国メーカーは国外販売を大幅に強化。世界市場で値崩れが起きている。太陽光パネルとインバーターの価格がさらに下落すると予想し、メガソーラープロジェクトを先送りする動きも強まっており、SMAでは新規受注も振るわない。