VWとハンブルク港が共同プロジェクト、トラック走行・積み替え自動化へ

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は1日、商用車子会社MANトラック・アンド・バスがハンブルク港運営会社HHLAと自動運転トラックの実用化に向けた共同プロジェクトを実施すると発表した。自動運転トラックをコンテナ取り扱いプロセスに統合することが狙い。プロジェクトの成果は2021年10月にハンブルク市で開催される高度道路交通システム(ITS)に関する世界会議で発表される。

「ハンブルク・トラックパイロット」という名のプロジェクトを実施する。トラックを用いたコンテナ物流の自動化に必要な要件を現実の物流環境下で明確化し、標準化する考え。

プロジェクトは3段階に分けて実施する。まずは技術的な枠組み条件を定める準備段階で、期間は年末まで。第2段階は2019年1月~20年6月で、ミュンヘンにあるMANのテスト場でシステムの開発を行う。最終段階の20年7月~12月には路上と港湾施設内で実用テストを実施する。

実用テストはアウトバーン(高速道路)A7号線のゾルタオ・オスト・インターチェンジとハンブルク港アルテンヴェルダー・コンテナ埠頭(CTA)を結ぶ約70キロの区間で実施する。テストでは走行とコンテナの積込・積卸を自動で行う。万が一に備えて運転手が同乗し、必要に応じて運転操作を引き受ける。

走行と積込・積卸作業が完全自動化されると、運転手は走行中に書類を作成したり、積卸・積込の最中に法定の休憩を取ることが可能になり、業務効率が向上する。燃費の削減や渋滞軽減といった効果も期待できる。

ハンブルクとVWは16年、将来の都市交通の実現に向けたソリューション開発で合意した。同市を環境に優しい安全かつスマートな交通のモデル都市とすることを目指している。ハンブルク・トラックパイロットはこの取り組みの一環として行われる。

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