化学大手の独コベストロ(レバークーゼン)は9日、米テキサス州ベイタウンにポリウレタンの原料となるメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)の工場を新設すると発表した。世界需要の拡大を踏まえた措置。同社の北米生産能力は2倍以上に拡大することになる。
ベイタウンにある既存プラント内に年産能力500キロトンの工場を建設する。投資額は約15億ユーロで、個別投資では同社史上最大。2024年の操業開始を予定する。
同社の北米生産能力は現在330キロトン。新工場開設に伴い生産効率の低い工場(生産能力90キロトン)を閉鎖するものの、北米生産能力は2.2倍の740キロトンへと拡大することになる。
MDIの世界需要は長期的に年およそ5%の拡大が見込まれている。断熱効果の高い発泡プラスティックのニーズの高まりや、低性能で環境負荷の大きい材料をMDIに置き換える動きが背景にある。
コベストロは世界最大のMDIメーカーで、生産能力をグローバルに拡大している。欧州・中東・北アフリカ地域での生産能力を22年までに820キロトン、アジア太平洋地域でも21年までに同670キロトンへと引き上げる計画だ。