ロシアのディスカウントスーパー大手トルグセルヴィスが、同業界の激戦地ドイツに進出する。独小売業界紙『レーベンスミッテル・ツァイトゥング』が先ごろ報じたもので、2017年秋に設立した現地子会社TSマルクトが北東部6州のベルリン、メクレンブルク・フォアポメルン、ザクセン、ザクセン・アンハルト、テューリンゲン、ブランデンブルクで100店舗を展開する計画だ。
ドイツではアルディ、リドルを筆頭にディスカウントスーバーの林立で食品小売市場の競争がし烈を極めている。TSマルクトは、低所得層が多い旧東独地域に市場を絞るとともに、商品の90~95%をプライベートブランド(PB)として投入する戦略だ。すでに出店場所やサプライチェーン構築責任者を探すなど準備にかかっているが、開店時期は明らかにしていない。
計画によると、TSマルクトの店舗面積は800~1,200平方メートルで、1店舗あたり30~40台の駐車スペースを設ける。商品点数は約1,500~2,000とし、食品や目玉商品は段ボール箱に入れたままの状態で提供するという簡単な陳列方法をとる。
トルグセルヴィスは2009年の設立。「スヴェトフォール(Swetofor)」、「マヤック(Majak)」のブランド名で、ロシアのほかカザフスタン、ベラルーシ、中国を合わせて731店舗を展開する。年内にルーマニアとポーランドでも営業を開始する予定だ。年間売上高は約15億ユーロ。