商工会議所が成長率1.8%に下方修正、製造業で見通し悪化

2018年10月24日発行 No.1208号

ドイツ商工会議所連合会(DIHK)は18日発表した企業景気アンケート調査レポートのなかで、2018年の国内総生産(GDP)を従来予測(初夏)の実質2.2%から1.8%へと引き下げた。下方修正は2度目。年初時点では2.7%を予想していたが、世界の経済環境が悪化しているうえ、今秋に実施した企業アンケート調査の結果も製造業を中心に振るわなかったことから、初夏に引き続き予測を引き下げた。マルティン・ヴァンスレーベン専務理事は「空気は薄くなり懸念は大きくなっている」と危機感を表明した。来年は輸出と投資が弱まり成長率が1.7%に低下するとみている。

DIHKは毎年3回、会員企業を対象に大規模な景気アンケート調査を行っており、今回の秋季調査では約2万7,000社から回答を得た。業種別の内訳は製造が28%、建設が7%、流通が22%、サービスが43%となっている。

それによると、事業の現状を「良い」とする回答の割合は前回調査(初夏)の51%から52%へと上昇した(下のグラフ参照)。住宅ブームに沸く建設業で8ポイント増の70%へと大幅に上昇したことが大きい。製造業は47%となり前回から5ポイント、前々回(年初)から7ポイント低下した。

今後1年間の事業見通しを「良い」とする回答は前回の26%から22%へと4ポイント落ち込んだ。通商摩擦や米国の対イラン・ロシア制裁、トルコ経済の急速な悪化、通商条約を締結せずに英国が欧州連合(EU)から離脱するリスクの増大が響いた格好だ。輸出型産業の企業を対象に事業のリスク要因を尋ねた質問では「経済政策の枠組み条件の悪化」を挙げる回答が前回の37%から39%へと増加。「外需の低迷」との回答も30%から33%へと拡大した。このほか、原油価格の高騰を背景に「エネルギー・原料コスト」をリスク要因とみる企業も30%から34%へと増えた。回答が最も多かったのはこれまで同様「専門人材の不足」で62%(前回61%)に達した。

メーカーを対象に今後1年間の輸出見通しを尋ねた質問では「輸出が増える」との回答が前回を3ポイント下回る30%へと落ち込んだ。直近のピークである年初に比べると8ポイント低い数値だ。通商摩擦の先行き懸念のほか、米中銀の金利引き上げに伴う同国への資本還流と新興国の経済危機、石油価格上昇を受けた世界経済の減速懸念などが響いた格好だ。中間財と投資財メーカーで輸出見通しの悪化が特に目立つ。

今後1年間の投資額については増やすとの回答が2ポイント減の32%に低下したものの、依然として高い水準を保った。工場稼働率が高いうえ、IoT化を背景に事業のデジタル化に取り組まなければならないという事情が大きい。

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