フォルクスワーゲン―販売・サービスをデジタル化―

フォルクスワーゲン(VW)ブランド乗用車(ヴォルフスブルク)は16日、販売・サービス体制を抜本的に改めると発表した。IT技術の進展やそれに伴う顧客ニーズの変化を踏まえた措置で、これまでディーラーが行っていたサービスを、デジタル技術を利用してVWが直接提供し、顧客と接点を確保できるようにする。販売ではオンラインプラットホームを活用する考えで、VWは直販に乗り出す。

VWブランド乗用車は2020年からすべての新車をコネクテッドカーとし、VW車の利用者が例外なくデジタルサービスを受けられるようにする計画を8月に打ち出した。販売・サービス体制の改革はこれを踏まえてもので、足元の欧州では2020年4月から実施する。

顧客にはソフトウエアのアップデートのほか、カーシェア、充電・決済などの付加サービスをVWがネット経由で一手に提供する。各顧客のデータを分析したうえでニーズに見合った「オーダーメード」のサービスを行う考えだ。こうしたサービスを提供するために顧客にはIDを割り振る。

車両販売では新たにオンラインプラットホームを立ち上げる。顧客はネットで注文した車両を最寄りのディーラーで引き取ることになる。車両の引き渡しを担当するディーラーはVWから手数料を受け取るため、ネット販売が拡大しても収入を確保できる。

VWブランド乗用車のユルゲン・シュタックマン取締役(販売担当)は、ネット経由でVW車を購入する顧客は25年時点でせいぜい5%にとどまるが、中長期的には拡大していくとの予想を提示。ネット販売需要の拡大に対応できる体制を今のうちから構築しておくと狙いを語った。

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