電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)が8日発表した2018年9月通期決算の産業分野の利益は88億1,500万ユーロとなり、前期比で6%減少した。構造不況に直面する火力発電部門の再編コストが響いた格好で、純利益も3%減の58億700万ユーロへと落ち込んだ。売上高は横ばいの830億4,400万ユーロ、新規受注高は6%増の912億9,600万ユーロだった。
産業分野の売上高(内部売上を含む)は横ばいの843億9,600万ユーロで、売上高利益率は前期の11.1%から10.4%へと下落した。
産業部門の利益をみると、8部門のうち5部門で増益となった。製造業のIoT化を背景にデジタルファクトリー部門が特に好調で、23%増の25億8,600万ユーロへと拡大。これまで足かせとなっていた再生可能エネルギー設備部門シーメンス・ガメサも42%増の4億8,300万ユーロへと回復した。
19年9月期は為替変動とポートフォリオの変更を除いた実質売上高(18年9月期は2%増)で緩やかな増加、人員削減費を除いた産業部門の売上高営業利益率(同11.3%)で11.0~12.0%を見込む。
同社は決算発表で自社株買いを実施することも明らかにした。21年11月までに最大30億ユーロを投入する。