特殊化学大手の独エボニック(エッセン)は8日、過酸化水素(H2O2)と過酢酸(PAA)の有力企業である米ペロクシケムを投資会社ワン・エクイティ・パートナーズから買収すると発表した。収益力の高い特殊製品分野のポートフォリオ強化方針に基づく措置。買収金額は6億2,500万ドル。当局の審査を経て買収手続きが来年半ばに完了すると見込んでいる。
ペロクシケムはフィラデルフィアに本社を置く企業で、北米、ドイツ、スペイン、タイに計8工場を持つ。従業員数は約600人。今年は売上高で約3億ドル、営業利益(EBITDA)で約6,000万ドル、売上高営業利益率で約20%を見込む。
ペロクシケムは環境に優しい浄水、半導体洗浄、無殺菌の食品包装など収益力の高い特殊分野に強い。エボニックの当該事業は製紙・繊維産業向けなど汎用品が中心で、収益力が低いことから、同社はペロクシケムを買収することで特殊分野のポートフォリオを拡充。収益力を強化する意向だ。2022年までにシナジー効果が2,000万ドルに達すると予想している。