自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は14日、ドイツ北部のエムデン、ハノーバー工場で電動車を生産する計画を発表した。独東部のツヴィッカウ工場でも電動車を生産することが決まっているため、同国のVW電動車工場は3カ所に拡大することになる。
エムデン工場は2022年から電動車の生産に特化する。メディア報道によると、2万ユーロ未満の低価格電気自動車(EV)「MEBエントリー(仮称)」と、パサートの電動車モデルを生産する。年産台数はそれぞれ20万台、10万台。
ハノーバー工場では22年から電動マイクロバス「I.D.バズ」を生産する。年産台数は10万台強。同工場では内燃機関車も並行して生産する。
エムデン工場で現在、生産するパサートの内燃機関車はチェコ子会社シュコダの工場へと移管される。ハノーバー工場で生産する内燃機関車の一部も他の工場に移管される。
ツヴィッカウ工場ではEV専用プラットホーム「MEB」ベースの車両を19年から生産することになっている。
電動車は内燃機関車に比べて部品点数が少なく、製造工程も少ない。このためエムデン、ハノーバー工場では電動車の生産開始に合わせて従業員数を削減していく。経営陣は高齢者パートタイム制(早期退職制度の一種)を利用して人員整理を進めることで従業員代表の事業所委員会と合意した。
両工場の有期契約社員に対しては同社のカッセル工場ないし子会社ポルシェで正社員となることを提案する。