化学大手ランクセスで産業スパイ、社員が中国に情報送信

化学大手の独ランクセスを対象に社員などが産業スパイ活動を行っていたことが分かった。同社への取材などをもとにロイター通信が報じたもので、検察当局はすでに犯人を起訴した。

犯人グループは中国人と中国系ドイツ人の計4人。主犯は48歳の管理職(すでに解雇済み)で、2011年9月から13年3月にかけて中国在住の「U氏」に中国語でメールを送信し、ランクセスの化学製品の製法や原料に関する情報を提供していた。

Uはこの情報をもとに年産能力400トンの生産施設を中国に建設した。同管理職はこの施設で生産した模造品を輸入・販売するための会社を16年にドイツに設立し、インターネットや見本市でランクセスの顧客などに売り込みをかけていた。

ランクセスはこれを受けて16年夏に告訴。ケルン検察当局は今年6月に起訴した。同管理職を相手取って同社が起こした損害賠償請求訴訟ではすでに16万6,777ユーロの支払いを命じる判決が下されている。

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