自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)はエンジン車の開発を2030年頃までに打ち切る考えだ。地球温暖化防止に向けた2015年のパリ協定の目標から逆算すると、30年頃が期限になるとみているため。VWブランド乗用車の戦略責任者であるミヒャエル・ヨスト氏が経済紙『ハンデルスブラット』主催のイベントで4日、明らかにした。
パリ協定では産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑えるという目標達成に先進国と発展途上国がともに取り組むことが取り決められた。欧州連合(EU)の欧州委員会はこれを受けて50年までに域内の温室効果ガス排出量を実質ゼロにする戦略案を11月末に打ち出した。
VWはこれを踏まえ、エンジン車の販売停止時期を40年と予想。ここから逆算し、同社最後のエンジン車の発売時期が30年代初頭、同エンジンの開発開始時期が26年になるとの見通しを立てた。