金融・保険市場の相互開放で独中が合意

ドイツのオーラフ・ショルツ財務相(副首相)は17日から2日間、中国を訪問し、両国の金融・保険市場を相互開放する協定に調印した。ドイツの銀行、保険会社は中国市場に進出しやすくなることから、同国に進出したドイツ系企業は融資などのサービスを受けることがこれまでよりも容易になる。同相は保護主義の動きが高まっていることを踏まえ「世界が団結して多国間主義を保ち、すべての国が相互協調に努めるよう方向性を示すことは現在まさに重要だ、ということで両国が一致した」と述べた。

中国の金融・保険市場はこれまで、外資に閉鎖的だった。だが、米国との通商摩擦をきっかけに、同国政府は外資規制を緩和。習近平国家主席は昨年4月、海南省博鰲(ボアオ)の国際経済会議「ボアオ・アジアフォーラム」で、金融市場の開放方針を打ち出した。

独中の今回の協定はこの流れを受けたもので、両国は相手国の銀行や保険会社が自国に支店を開く際の条件を相互に緩和する。ドイツの金融機関は中国で有価証券取引をこれまでよりも容易に行うことができるようになる。

中国にはドイツ企業5,200社が進出している。これらの企業の間からは現地の金融機関から融資を受けるのが難しいとの批判が出ている。ドイツの銀行が本格進出すれば、そうした問題は解消される見通しだ。

上部へスクロール