化学大手のBASF(ルートヴィヒスハーフェン)は17日、インドの複合企業アダニ・グループと同国に合弁会社を設立することで基本合意したと発表した。現地需要が高まっているアクリル製品を生産する計画。実行可能性調査を年末までに完了する。
インド西部のマンドラ港に合弁工場を設立する。投資額は両社合わせて約20億ユーロ。BASFは過半数資本を握る。同社のインド投資では過去最大となる。
同工場ではブタノール、2-エチルヘキサノール、氷アクリル酸(GAA)、アクリル酸ブチル(BA)を生産する。川下製品の製造も視野に入れている。製品は建設や自動車、塗料産業向けに出荷する。
工場で用いる電力は再生可能エネルギー由来のものを使用し、カーボンニュートラルを実現する。BASF初のカーボンニュートラル工場となる。BASFは同工場用の再生エネを安定調達するために、現地の風力・太陽光発電パークに資本参加する考えだ。
インドは化学製品の多くを輸入している。BASFとアダニがアクリル製品を同国で生産すると、同製品の輸入依存度が低下。経常赤字の減少と製造業振興に向けた「メイク・イン・インディア」政策に寄与することになる。