ヨーロピアン・デパートメント―カウフホーフで人員削減―

オーストリアの投資会社シグナとカナダの小売大手ハドソンズ・ベイ・カンパニー(HBC)が両社の独デパート子会社などを統合する形で昨年11月末に設立した新会社ヨーロピアン・デパートメント・ストア・ホールディング(エッセン)は25日、HBCが持ち込んだ独でパート、ギャラリア・カウフホーフで人員削減を実施すると発表した。カウフホーフは経営が悪化していることから、コストを圧縮し、安定して利益を確保できるようにする考えだ。

カウフホーフの従業員1万6,000人のうち4,000人を整理する。フルタイム勤務の社員に換算すると削減規模は2,600人。そのうち1,600人を店舗、1,000人をケルンにあるカウフホーフの本社で整理する。現時点で店舗閉鎖は考えていない。

ヨーロピアン・デパートメントにはシグナがカールシュタット(デパート)とカールシュタット・スポーツ(スポーツ用品販売)、HBCがカウフホーフ、サックス・オフ・5TH(都市型アウトレット)、ベルギーのデパート16カ所、オランダのデパート15カ所を持ち寄った。同社は売上高が約50億ユーロで、シグナは資本50.01%を握っている。

ヨーロピアン・デパートメントのシュテファン・ファンダール社長は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、カールシュタットでは業務モデル・プロセスの変更を通してすでに店舗が黒字化していると指摘。カウフホーフでも改革を通して黒字化を実現する意向を表明した。新会社では1億ユーロのケタ台のシナジー効果を実現する考えだ。

ヨーロピアン・デパートメントは登記上の本社をルクセンブルクに置いているものの、機能上の本社は独エッセンにあるカールシュタットの本社が果たしている。