ニコンは23日、露光装置とデジタルカメラの特許をめぐって蘭ASML、独カール・ツァイスと争ってきた係争で、包括的和解の基本合意覚書を締結したと発表した。3社は和解とクロスライセンスに関する最終契約を2月に締結し、すべての訴訟を取り下げる予定だ。
ニコンは2017年、ASMLとASMLのサプライヤーであるツァイスが半導体露光装置に関するニコンの特許を無断で使用しているとして提訴。当該製品の流通・販売の差し止めと損害賠償の支払いを要求した。
これを受けてASMLとツァイスは半導体製造装置、フラットパネルディスプレー(FPD)製造装置、デジタルカメラの分野でニコンが計10件以上の特許を侵害しているとして逆提訴を行っていた。
今回締結した基本合意覚書には、◇ASMLとツァイスがニコンに総額1億5,000万ユーロ(約190億円)を支払う◇最終契約の締結日から10年間、液浸露光装置の年間売上高の0.8%に相当する金額のライセンス料を相互に支払う――との取り決めが盛り込まれている。