自動車部品大手の独ボッシュ(シュツットガルト)は1月30日の決算発表で、人工知能(AI)開発要員の大幅拡大方針を明らかにした。米国や中国のIT大手が同分野で先行していることに危機感を持っているためで、現在1,000人にとどまるAI技術者を2021年までに4倍の4,000人へと増やす考えだ。
フォルクマー・デナー社長は米中のIT大手が消費財向けのAIで世界をリードしていることを認めたうえで、「交通、製造業、建造物の分野のノウハウがなければ産業分野ではAIのポテンシャルを引き出すことができない」と指摘。AI分野で世界トップになることに意欲を示した。ボッシュは自動車部品、産業機器、消費財、エネルギー・ビル技術の分野で事業を展開しており、同社長は2020年代半ばまでにすべての自社製品にAIを搭載する意向も明らかにした。
18年12月期暫定決算の売上高は前期比1.5%増の779億ユーロとなり、これまでに引き続き過去最高を更新した。為替差損で売上水準が21億ユーロ押し下げられており、その影響を除いた実質ベースでは増収幅が4.3%に上った。実質増収幅は産業機器部門で11%を記録。自動車部品も4.7%に上った。
営業利益(EBIT)は微増の53億ユーロで、こちらも過去最高を記録した。売上高営業利益率は横ばいの6.9%だった。