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2019/2/13

総合 - ドイツ経済ニュース

成長率予測0.9%に引き下げ=商工会議所

この記事の要約

ドイツ商工会議所連合会(DIHK)は7日発表した企業景気アンケート調査レポートのなかで、2019年の国内総生産(GDP)予測を従来予測(昨秋)の実質1.7%から0.9%へと大幅に下方修正した。景気が減速しているうえ、先行 […]

ドイツ商工会議所連合会(DIHK)は7日発表した企業景気アンケート調査レポートのなかで、2019年の国内総生産(GDP)予測を従来予測(昨秋)の実質1.7%から0.9%へと大幅に下方修正した。景気が減速しているうえ、先行き不透明感を背景に景況感も悪化しているためだ。特に貿易依存度の高い製造業で悲観的な見方が強まっている。今回のGDP予測は英国が新協定を締結して欧州連合(EU)を離脱することを前提にしており、協定を結ばずに離脱する「ハードブレグジット」となった場合は大幅な下振れリスクもあり得るとしている。

DIHKは毎年3回(年初、初夏、秋)、会員企業を対象に大規模な景気アンケート調査を行っており、今回の年初調査では約2万7,000社から回答を得た。業種別の内訳は製造が28%、建設が7%、流通が22%、サービスが43%となっている。

それによると、事業の現状を「良い」とする回答の割合は前回調査(秋)の52%から50%へと減少。「悪い」(7%)との差は45ポイントから43ポイントへと縮小した。製造業では「良い」と「悪い」との差が4ポイント減の43ポイントへと縮小。1年前に比べると縮小幅は11ポイントに達した。特にEU排出権価格(EUA)の上昇を背景にエネルギー集約型の中間財業界で現状判断の悪化が目立つ。

今後1年間の事業見通しを「良い」とする回答は横ばいの22%を保った。だが、「悪い」が4ポイント増の15%だったことから、「良い」と「悪い」との差は11ポイントから7ポイントへと縮小した。

会員企業に事業のリスク要因を尋ねた質問では「外需(の減少)」が33%から37%へと4ポイント増加した。「経済政策的な枠組み条件(の悪化)」も39%から41%に増えており、世界経済の減速や米国とEU、中国の通商摩擦、ハードブレグジットの現実味の高まりが圧迫要因となっている。

「内需(の減少)」をリスク要因とする回答も34%から38%へと大きく増加した。DIHKはこれについて、輸出型企業の国内サプライヤーにまで世界経済低迷の影響が波及し始めているためだと説明している。

リスク要因として回答が最も多かったのはこれまで同様「専門人材の不足」で61%(前回62%)に達した。

ディーゼル車走行制限で環境投資拡大

メーカーを対象に今後1年間の輸出見通しを尋ねた質問では輸出が「増える」との回答が前回を2ポイント下回る28%へと落ち込んだ。直近のピークである昨年初に比べると10ポイント低い数値だ。「減る」は13%から15%へと増加しており、「増える」との差は前回の17ポイントから13ポイントへと縮小。長年の平均である21ポイントを大幅に下回った。12年以来の低水準となっている。特に中間財業界で見通しが暗い。

先行き不透明感の高まりは投資分野にも反映されており、今後1年間の投資額を「増やす」との回答は1ポイント減の31%に低下。「減らす」は2ポイント増の15%へと拡大した。

投資の種類では更新投資が1ポイント増の65%に拡大した半面、生産能力拡張投資は1ポイント減の31%へと低下した。需要の低迷と人材不足が反映された格好だ。

環境保護投資は15%から16%へと増加した。ディーゼル車の走行制限を背景に社用車の買い替えを検討する動きが中堅企業を中心に広がっている。石炭発電の廃止政策を背景に電力価格が今後、上昇する見通しも、同投資の強化につながっているという。

雇用の「拡大」を検討する企業は横ばいの22%だった。「縮小」検討は1ポイント増の12%で、「拡大」との差は前回の11ポイントから10ポイントへと狭まった。特に製造業で新規雇用に慎重な企業が増えている。人材不足に伴う人件費の上昇と景気の減速を受けて、事業のリスク要因となるコストの拡大を避けたいという思惑があるもようだ。