NOx許容濃度超過地点、昨年は39%に低下

ドイツ連邦環境庁(UBA)は1月31日、国内の都市に設置した大気観測設備のうち欧州連合(EU)の窒素酸化物(NOx)基準を順守できなかったのは昨年、およそ39%(暫定値)だったと発表した。前年の45%から約6ポイント低下した計算で、同基準を順守できなかった都市の数は昨年の67から差し当たり35に減った。ただ、観測地点399カ所のうち132カ所については現時点でデータが解析されておらず、UBAのマリア・クラウツベルガー長官は、すべてのデータが出そろうと不遵守の都市は増える可能性があると指摘した。

EU加盟国はNOx濃度を1立方メートル当たり40マイクログラム(年平均)以下に抑制することを2010年以降、義務づけられている。ドイツでは首都ベルリンを含む多くの都市で同規制を遵守できない状況が続いており、西南ドイツのシュツットガルトでは今年1月から欧州排ガス基準「ユーロ4/Ⅳ」以下のディーゼル車の市内走行が禁止された。この措置の効果が不十分である場合は、「ユーロ5」対応のディーゼル車も来年1月から走行禁止の対象に追加される。走行禁止は他の都市でも導入される可能性が高い。

都市部のNOxの61%は交通に由来している。このため、NOx濃度を下げるためには特に交通分野の排出量を減らす必要がある。

交通分野(都市部)で排出量が最も多いのはディーゼル乗用車で、同分野全体の72.5%を占める。これに小型商用車が11%、大型商用車が8%、バスが4%、ディーゼル車以外の乗用車が3%で続く。(下のグラフ参照)

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