照明大手の独オスラム(ミュンヘン)は13日、米投資会社ベインキャピタルとカーライル・グループが同社の共同買収を検討していると発表した。ブルームバーグ通信の報道を追認したもので、同投資2社はオスラム株を最大100%取得する方向で現在、オスラムと協議している。両社が買収に踏み切るかどうかは未定で、協議が決裂する可能性もあるとしている。オスラムは浮動株比率が高いことから、買収の場合は株式公開買い付け(TOB)が行われることになる。
オスラムは業績が悪化しており、2018年10-12月期(第1四半期)の売上高(継続事業ベース)は前年同期比で実質およそ15%減の8億2,800万ユーロ(暫定値)へと大幅に後退。売上高営業利益率(EBITDAベース、調整済み)も前年同期の18.5%から11.3%へと下落した。今回の報道が出るまでは株価が下落しており、格好の買収標的と目されていた。
同社の株主構成をみると、筆頭株主は保険大手アリアンツの投資子会社アリアンツ・グローバル・インベスターズ(AGI)で、出資比率は10.16%に上る。これにスイス銀UBS(5.15%)、投資会社ブラックロック(5.08%)、資産運用大手DWS(4.92%)、投資会社シュローダー(3.01%)が続く。
オスラムの14日の発表によると、UBSは6日に株式を買い増し、出資比率を従来の2.91%から引き上げた。間接的に保持する株を含めると6.52%を確保している。UBSの買い増しの狙いは不明だが、顧客の委託で買い増した可能性は排除できない。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、AGIは米国の顧客の委託を受けて昨年12月にオスラム株を大量に取得した。
ベインキャピタルとカーライルはTOBの準備の一環で、オスラムの大株主とすでに接触していると推測されている。買収した場合は、オスラムの上場を廃止してリストラを実施し、業績好転後に転売するとみられる。