化学大手の独BASFが26日発表した2018年12月期決算の営業利益(EBIT、特別項目を除く)は前期比16.9%減の63億5,300万ユーロと大きく落ち込んだ。自動車業界の低迷や米中通商摩擦のほか、ルートヴィヒスハーフェン本社工場の物流の生命線であるライン川の水位が猛暑で低下しコストが膨らんだことが直撃。純利益も22.6%減って47億700万ユーロとなった。売上高は626億7,500万ユーロで、2.4%増加した。
EBIT(同)は4部門すべてで低下。減益幅は農業化学(29%)、基礎化学品(20%)、機能性材料(19%)で特に大きかった。高性能材料は3%と比較的小さい。
EBIT(同)は第4四半期(10~12月)の落ち込みが特に大きく、前年同期比58.7%減の6億3,000万ユーロへと後退した。農業化学と基礎化学品でそれぞれ82%、69%減少したことが大きい。農業化学部門は米モンサントを買収した独バイエルから事業の一部を譲り受けた関係でコストが拡大。大幅減益となった。基礎化学品部門ではポリウレタンの原料であるイソシアネートと、クラッカー事業で収益力が低下し、利益が押し下げられた。
19年12月期は売上高で最大5%増、EBIT(同)でやや増加を見込む。