独化学工業会(VCI)は12日、同国化学・製薬業界の今年の生産成長率を従来予測(12月発表)の1.5%からマイナス3.5%へと大幅に引き下げた。欧州需要の減少や英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる混乱を踏まえたもので、売上成長率も2.5%からマイナス2.5%へと下方修正した。売上高は1,985億ユーロを予想している。出荷価格については1%の上昇を見込む。
2018年第4四半期(10~12月)の生産高は営業日数・季節要因調整後の実質で前期を10.0%割り込んだ。特殊要因が響いて製薬が22.0%減少したことが最大の押し下げ要因。製薬を除いたベースでは減少幅が3.2%だった。化学ではポリマーが5.9%減、「石油化学品と誘導体」が5.2%減と大きく落ち込んだ。
出荷価格は0.4%の上昇で、業界の実質売上高は3.1%減の465億ユーロへと縮小した。国外売上が6.9%減少。国内は同2.1%増加した。
18年全体の生産高は前年比で3.6%増加した。ただ、製薬は第4四半期の激減が響き2.2%落ち込んでいる。
化学・製薬業界の出荷価格は2.0%の上昇。同売上高は4.1%増の2,035億ユーロで、地域別の内訳は国内が2.1%増の765億ユーロ、国外が5.3%増の1,270億ユーロだった。工場稼働率は前年の84.1%から85.6%へと1.5ポイント高まった。