欧州連合(EU)の欧州委員会は7日、独エネルギー大手のエーオンとRWEの事業交換のうち、エーオンがRWE傘下の再生可能エネルギー、送配電事業者イノジーを買収する計画について、本格的な調査を開始すると発表した。ドイツなどの送配電、電力小売市場で寡占が強まる恐れがあるためで、初期審査での認可を見送り、改めて詳細な調査を行ったうえで買収の可否を最終判断する。
エーオンとRWEは2018年3月に事業交換で合意。RWEは子会社イノジーの株式76.8%をエーオンに譲渡し、エーオン株16.67%を取得した上で、イノジーの再生エネとガス貯蔵事業、イノジーが保有するオーストリアのエネルギー大手ケラークの株式49%を握る。エーオンの再生エネ事業も取得する。
エーオンはイノジーを自社に統合する計画で、RWE以外のイノジー株主を対象に株式公開買い付け(TOB)を実施することになっている。
欧州委は2月末、RWEがエーオンの再生可能エネルギー発電事業を取得することを無条件で承認した。しかし、エーオンによるイノジー買収に関してはドイツやチェコ、スロバキア、ハンガリーの送配電市場で寡占が強まり、電力価格の上昇を招く恐れがあるとして、本格的な調査を開始することを決めた。7月23日までに調査を終え、買収の可否を判断する。