戦車大手の独ラインメタル(デュッセルドルフ)が独仏資本の同業KMW+ネクスター・ディフェンス・システムズ(KNDS)に資本参加することをめぐり、両国政府が協議している。ラインメタルのアーミン・パッパーガー社長が13日、明らかにしたもので、独政府はすでに出資を支持している。仏政府が同意すれば、出資への道が開ける見通しだ。
ラインメタルはもともとKMWとの合併を目指していたが、どちらが主導権を握るかで合意できず、交渉はとん挫した。KMWはこれを受けて2015年、ネクスターとの合併を正式決定。持ち株会社KNDSを設立した。ラインメタルは長期的に生き残れない恐れが出てきた。
パッパーガー社長は世界の軍需市場で米国、ロシア、中国に対抗するためには大型プロジェクトに対応できる事業規模と実力が必要だと強調。欧州に巨大な軍需企業を創設することは必要不可欠だとの認識を示した。
同社長はまた、KNDSの資本を最低50%掌握する意向を表明した。ジュニアパートナーの地位は受け入れられないとしている。ただ、KNDSと仏政府がこれを認めるかどうかは定かでない。
独仏政府は次世代戦車を共同開発・製造することを計画している。事業規模は約1,000億ユーロに達する見通し。ラインメタルはこの事情も踏まえて、KNDSへの資本参加を目指している。
欧州で現在、事実上の標準戦車となっている「レオパルト2」はKMWが開発。ラインメタルはサプライヤーとして参画した。