18年の河川物流11%減少、猛暑の影響で

ドイツ連邦統計局が25日発表した同国の2018年の河川貨物輸送量は1億9,800万トンとなり、前年比で11.1%落ち込んだ。猛暑で主要河川の水位が大幅に低下し、輸送能力が下がったことが響いた格好だ。特に8月以降は前年同月比の減少幅が毎月、2ケタ台を記録。11月には約34%も落ち込んだ。

18年の減少率が特に大きかったのはドイツを通過する貨物輸送で、前年比22.4%減の1,140万トンへと縮小した。輸出(13.5%減の4,430万トン)と輸入(11.1%減の9,020万トン)も2ケタ台の減少を記録。国内輸送は6.0%減の5,210万トンだった。

コンテナ輸送量は240万TEU(20フィートコンテナ換算)で、前年を8.3%下回った。

ライン川に面したルートヴィヒスハーフェンに本社工場を持つ化学大手のBASFは昨年、同川の河川低下を受けてトルエンジイソシアネート(TDI)の生産を停止した。原料を確保できなくなったためだ。パイプライン、トラック、鉄道輸送を強化したものの、河川輸送の減少分を相殺できないことから、操業停止へと追い込まれた。

同工場では原料・製品の40%を河川で輸送していることから、水位の低下は18年の大きな減益要因となった。BASFは温暖化を背景に河川の水位低下が今後も起こり得ると予想。自力での対策には限界があることから、水位の極端な低下を避けるために、必要に応じて河川をせき止めるインフラの構築を幅広く議論すべきだと訴えている。

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