ヤマト運輸は3月27日、ドイツポストの電気自動車(EV)子会社ストリートスクーター(STS)から、宅配に特化した日本初の小型商用EVトラックを調達する契約に調印した。物流全体の課題である環境負荷を軽減するとともに、安心・安全で働きやすい環境を整備する狙い。2019年度中に500台を導入し、秋から東京、埼玉、千葉、神奈川の一都三県で順次、稼働を開始する。
両社は日本の規格のほか、ヤマトのニーズを踏まえて同車両を共同開発した。具体的には◇人間工学に基づいて運転・乗降時の身体への負担を軽減する◇乗り込まずに荷物を扱えるようにすることで腰への負担を軽減する◇荷台にLED照明を設置して夜間の荷扱い作業を快適化する――などの工夫が施されている。普通免許で運転できるため、中型免許を持たない人でも配達業務が可能なことも強みだ。将来的には自動運転機能や人工知能(AI)の搭載も視野に入れている。
EVであるため、二酸化炭素(CO2)を排出しない。また、走行時の騒音が低減される。
STSのアッヒム・カンプカー最高経営責任者(CEO)は「各顧客業界のニーズに見合ったオーダーメイドの車両を製造するというわが社のコンセプトの正しさが改めて裏付けられた」との見方を示した。ヤマトとの「戦略的協力」をテコに日本のEV市場を今後、攻略していく意向だ。