炭素製品大手の独SGL(ヴィ―スバーデン)が3月27日発表した2018年12月期決算の営業利益(EBIT、特別項目を除く)は前期比61.1%増の6,460万ユーロと大幅に拡大した。過去数年間の事業再編で景気変動への耐性を強化したことが奏功した格好。売上高は21.8%増の10億4,750万ユーロで、売上高営業利益率は前期の4.7%から6.2%へと上昇した。
純利益は70.3%減の4,130万ユーロへと落ち込んだ。比較対象の17年12月期は事業売却で水準が押し上げられており、その反動が大きい。継続事業ベースの純損益は前期の赤字(1,620万ユーロ)から5,030万ユーロの黒字へと転換した。
同社は黒鉛電極価格の下落を受けて業績が悪化したことから、事業再編に取り組み、17年には同電極事業を昭和電工に完全売却。将来性の高い炭素繊維、特殊黒鉛製品などへ経営資源を絞り込んだ。車両の軽量化につながる炭素繊維強化樹脂やリチウムイオン電池向け黒鉛など自動車向け事業がけん引車となっている。
19年12月期は売上成長率で1ケタ台の半ば、EBIT(同)で横ばいを見込む。中期的には売上高を22年までに14億ユーロ、売上高営業利益率を最低10%へと引き上げる目標だ。