BMWとMSが産業用オープンプラットホームを立ち上げ

自動車大手の独BMWとIT大手の米マイクロソフト(MS)は2日、世界最大の産業見本市「ハノーバー・メッセ」の会場で、産業用のオープンプラットホームを立ち上げると発表した。機械や設備によってシステムが異なるためにデータを有効利用できないという問題を解消し、参加メーカーが製造効率と利益率を引き上げられるようにする考えだ。産業分野でモノのインターネット(IoT)が発展できる環境づくりを目指して、自動車業界の企業だけでなく、他の分野のメーカーにも参加を呼びかけている。

メーカーは現在、自らが利用する設備や機械で生み出されるデータに互換性がないという問題に直面。データを有効活用できず、産業IoT普及の大きな障害となっている。

BMWとMSはMSのクラウドプラットフォーム「アジュール」をベースに「オープン・マニュファクチャリング・プラットホーム(OMP)」という名のプラットホームを立ち上げる。参加企業はOMPを利用することで、これまで互換性のなかったデータを有効活用できるようになり、OMPを利用する他のパートナー企業とデータの交換も行えるようになる。メンバー企業の使用事例を参考に独自のソリューションやサービスを開発することも可能だ。

BMWはOMPを一番バッターとして利用。同社の3,000以上の設備、ロボット、自動輸送システムをネットワーク化する。

具体例として、独レーゲンスブルク工場で利用する自動輸送システムを挙げた。同システムを集中管理方式でコーディネートすることで物流プロセスが大幅に簡素化され、効率が向上するとしている。

OMPには年末までに4~6社のパートナー企業が加わり、少なくとも15の使用事例が具体化される見通しという。

上部へスクロール