ドイツ連邦統計局は9日、国内自動車・部品業界の昨年下半期の生産高が営業日数と季節要因を加味した実質で前期(上半期)を7.1%割り込んだことを明らかにした。欧州連合(EU)の新排ガス検査方式(WLTP)導入に伴う混乱が響いた格好だ。
EUでは排ガス検査方式が従来の「新欧州ドライビングサイクル(NEDC)」から「世界統一試験サイクル(WLTP)」へと切り替えられ、WLTPをクリアしない車両は9月1日から新車登録できなくなった。フォルクスワーゲン(VW)など多くのメーカーはWLTPへの対応で後手に回り、在庫の大幅拡大や生産縮小を余儀なくされた。
自動車はドイツの主力産業であることから、同業界の生産減の影響は大きく、製造業全体の生産高も2.0%減少した。
自動車業界を除いたベースでも減少幅は0.9%上った。例えば自動車に用いられる鉄鋼・樹脂などの素材を生産する企業は統計上、自動車部品メーカーに分類されないが、自動車減産のしわ寄せはこれら川上業界にも波及。製造業の幅広い分野で生産高が落ち込んだ。
自動車・部品業界の生産高は今年1月も前月比で実質4.3%減少した。2月に1.9%増となり、ようやく拡大へと転じた。