独化学工業会(VCI)は3日、河川交通インフラの近代化と拡充を行い、輸送能力を向上させるよう国と州の交通政策当事者に訴えた。インフラの老朽化と水位低下による輸送能力の低下が、河川物流への依存度が高い化学業界の緊急の問題として浮上しているためだ。
VCIによると、高低の差の大きい水面で船舶を昇降させるための閘門(こうもん)では約30%が速やかに修理ないし拡張を行う必要がある。閘門の待ち時間が長く、企業業績の足かせ要因となっていることが背景にある。
ライン川などの主要河川は昨年、北半球を襲った猛暑の影響で水位が低下した。この結果、石油や原料の河川輸送量が大幅に減少。化学メーカーは鉄道、トラックなど他の輸送手段の利用を拡大したものの、河川輸送の穴を相殺できなかった。また、物流コストが膨らみ、利益が押し下げられた。
このためVDAは、河川の水量が減少しても航行できるようインフラを整備することを要求。特に、ライン川交通のボトルネックであるマインツ~ザンクト・ゴアール間(約50キロ)の河川拡張計画を速やかに実施するよう促している。