VW元社長を独検察も起訴

独ブラウンシュヴァイク検察当局は15日、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループのディーゼル車排ガス不正問題に絡んで、マルティン・ヴィンターコルン元社長など5人を起訴したと発表した。同元社長に対しては米司法省が昨年、起訴済み。独当局はこれとは別に捜査を進めてきた。

ヴィンターコルン元社長などを重大詐欺、不正競争、背任の罪で起訴した。具体的には◇VWグループのディーゼル車に台上試験と実際の路上走行の違いを認識し台上試験でのみ排ガス処理が適切に行われるようにする違法なソフトウエアが搭載されているのを2014年5月以降、把握していたにもかかわらず、その事実を欧米当局に通報せず、搭載中止にも踏み切らなかった◇窒素酸化物(NOx)濃度が高い事実を隠ぺいするためにVWグループが14年11月に開始したソフトのアップデートは当時社長だったヴィンターコルン氏の関知・同意のもとで行われた◇高い業績連動報酬を得るためにグループが販売する違法車両の台数を可能な限り多くしようとした――と批判している。

排ガス不正問題は15年9月に発覚した。ヴィンターコルン社長はこれを受けて同月中に辞任したものの、不正の事実は15年9月になって初めて知ったと主張。違法性を否認している。

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