英蘭資本の石油大手シェル(デンハーグ)は13日、ドイツのガソリンスタンドに電動車用充電設備を設置すると発表した。これまでは充電時間が長いことから設置を見合わせてきたが、急速充電技術が進歩してきたことから、設置へと踏み切る。独エネルギー大手EnBWの協力を受ける。
年内に急速充電スタンド50基を設置する。同時に車2台の充電が可能。1台だけで充電する場合は出力が300キロワット(kW)、 2台同時に充電する場合は各150kW(計300kW)に上る。300kWの場合は3~4分の充電、150kWの場合は6~8分の充電で100キロを走行できる。電力はすべて再生可能エネルギー由来のものを提供する。
シェルはガソリンや軽油以外の車両動力源を本格的に提供することを視野に入れており、すでに英国、オランダ、中国では一部のスタンドで電力を販売している。これらの国で得たノウハウをドイツの充電サービスに生かす考え。
電動車の充電時間は従来長く、ガソリンスタンド運営事業者はこれを嫌って、充電サービスを見合わせてきた。このためドイツでは電力事業者が中心となって充電網の拡充が進められてきた。
だが最近は急速充電技術が発達。電動車の今後の需要拡大も見込まれることから、シェルは充電サービスに乗り出す。EnBWは充電網分野でこれまで培ってきたノウハウを提供する。