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ドイツ経済ニュース

インフィニオンが華為への供給を部分停止、米国の制裁受け

この記事の要約

半導体大手の独インフィニオンが中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への製品供給を一部停止した。華為を対象とした米国の制裁を踏まえた措置で、広報担当者は20日、英字誌『ニッケイ・アジア・レビュー』の報道を半ば追認す […]

半導体大手の独インフィニオンが中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への製品供給を一部停止した。華為を対象とした米国の制裁を踏まえた措置で、広報担当者は20日、英字誌『ニッケイ・アジア・レビュー』の報道を半ば追認する形で、米国で製造する製品の引き渡しを凍結したことを明らかにした。華為製の通信機器を利用する電気通信大手のドイツテレコムも「調達戦略を現在、見直している」としており、米制裁の影響は国境を越えて広がっている。独ペーター・アルトマイヤー経済相は広報担当者を通して、独企業が受ける影響を調査する意向を表明した。

米政府は17日、華為への製品供給を事実上、禁止する措置を発動した。許可を取れば供給できるものの、申請が承認される可能性はほとんどない。

インフィニオンは米国で製造する製品がこの規制の対象になると判断し、一部製品の供給を停止した。大半の製品は供給を継続しているものの、米国製部品・ソフトウエアの割合が価値ベースで25%を超える製品であれば、米国以外で生産したものでも同規制の対象となることから、華為に販売できなくなる製品は増える可能性がある。

華為への供給を停止した部品の種類をインフィニオンは明らかにしていない。メディア報道によると、電力の制御や供給を行うパワー半導体とみられる。

インフィニオンは2015年、米同業インターナショナル・レクティファイアー(IR)を買収した。これによりパワー半導体世界1位の地位を一段と強化するとともに、IRが持つパワー半導体の製造ノウハウを取得。スマートホン用パワー半導体の米国生産を開始した。

同社は今後、米国の規制に抵触しないよう注意を払うとともに、華為への供給停止を受けて「信頼できるサプライヤー」としての評価に傷がつくのを防ぐという難しいかじ取りを余儀なくされそうだ。

インフィニオンが華為との取引で得る売上高は推定9,000万~1億ユーロで、同社売上全体(76億ユーロ)ごく一部にとどまる。このため、一部製品の供給停止に伴う同社の経済的な痛手自体は小さい。

だが、インフィニオンの株価は同日、欧州の競合とともに急落した。下落幅は同社で5%、STマイクロエレクトロニクスで9.5%、NXPで3.6%に上った。欧州メーカーが直接的に受ける痛手は小さいものの、米国製部品を華為に供給することが原則的に禁止されたことを受けて、半導体市場が下半期に回復するとしていた従来の見方が揺らいだことから、米国だけでなく欧州の半導体株も売りが殺到した。華為が昨年調達した米国製部品の総額は約110億ドルと莫大な額に達する。

IT業界は「大火への発展」を警戒

米国の政策の影響がドイツ企業に及んできたことについては独政府が神経をとがらせている。華為と取引を行う、米国事業の比重が大きいドイツ企業は少なくないためだ。経済相の広報担当者は一般論と前置きしたうえで、「(他国の)国内法が国境を越えた効力を持つことを拒否する」との立場を表明した。

ただ、「何らかの措置を現時点で取る必要性はない」としており、当面は様子見の姿勢を保つもようだ。華為への製品供給を部分停止したインフィニオンの措置についても「企業の決定にはコメントしない」との立場を表明した。

華為制裁に対する懸念は経済界からも出ている。独IT業界団体の情報通信業界連盟(Bitkom)は20日に声明を発表。アッヒム・ベルク会長は、デジタル産業は国際分業を前提としており、いかなる企業、国、地域も「世界的なデジタルエコシステム」なしでは立ち行かないと指摘したうえで、「重要な部品やソフトモジュールが供給されなくなると、生産・メンテナンスプロセスの全面停止を引き起こし、企業の存続を危うくしかねない。最悪の場合は経済全体がつまずく恐れがある」と述べ、「この火事が大火に発展しないよう政財界は全力で取り組むべきだ」と訴えた。